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Text File  |  1994-11-16  |  2KB  |  34 lines

  1. 506/508   WST00364  和田 光平         油断大敵(江戸,尾張)
  2. ( 8)   94/03/07 08:19
  3.  
  4.   油断大敵(江戸,尾張)
  5.  
  6.   油を切らすことは身を危うくする. 大敵に遭遇するに等しい. の意です. 暗がりの多
  7. かった, 昔の屋敷内で, 敵の侵入を発見するための明かりは重要でした. 
  8.   堺屋太一さんの小説「油断」は第一次石油ショックを題材とした警告の書でした.
  9.  日本の石油は全消費量の99.7% を輸入に頼っています. 国内のエネルギー資源は, 
  10. かつては石炭でしたが, コスト高のため石油に押され消えてゆきました. 昭和35年頃
  11. から各地で閉山が進み, 今は50ばかりの炭鉱を残すのみとなりました. 石油, 天然ガス
  12. など, あらゆるエネルギー源を輸入に頼るしかない我が国の安全確保は, 国際協力以外
  13. にありません. 
  14.   アジアには世界の70% 以上の石油が埋蔵されています.そのアジアの先進国として, 
  15. 日本が果たす役割を間違えなければ, 石油を断たれる心配は無いでしょう. 
  16.   日本が太平洋戦争に突入した最後の動機は, 対日石油禁輸にありました. 油がきれる
  17. と, さしもの連合艦隊も身動きが取れません. 備蓄が無くなる前にインドシナを占領
  18. するしか無いと開戦に踏み切ったのは, 窮鼠猫を噛む行動に近いものでした.
  19.   そして戦争に敗れ, 戦後の復興を経て, 日本はアジアの国々と協力して行ける素地を
  20. 地道に築いて来ました. 
  21.   ところが, 今尚エネルギー自給を本気で追求しているプロジェクトがあります.
  22.   地上の太陽とも言える高速増殖炉「もんじゅ」計画は, 日本に無限のエネルギーを
  23. もたらすと考えられています. これさえ完成すれば, もう油断は無くなるとばかりに
  24. 1992年11月, フランスから1 トンのプルトニウムを輸入しました. 
  25.  これを見たニューズ・ウィーク誌は, 日本が核武装するに違いないと警告を発しまし
  26. た. 諸外国が, 技術的に放棄したプルトニウムの平和利用に日本がチャレンジしている
  27. なんて, 彼らには信じられ無かったのでしょう. 半減期が1 万2000年という, 厳粛な
  28. 数字は, このエネルギー源が極めて危険であることを示しています. 
  29.  日本が,核兵器準備を進めていると見た根拠は,一部過激な再軍備論者がいること
  30. にもよりますが,是が非でもプルトニウムを輸入しようとした行動に疑惑をかけられて
  31. いるのです.いつか来た道を繰り返すことはないでしょうが,油断大敵です.
  32.  
  33.                           東海支社)和田 光平
  34.